NEUMANN K3x0.2 なるケーブルが、最近レコスタで流行っているらしい・・・ という話を聞きまして。なんやかんやでソイツを使ってマイクケーブルを作ってみることになりました。せっかくの機会ですので、ついでに色々とテストしてサンプルも録音しておきました。
製作過程
こちらがその NEUMANN K3 x 0.2 というものです。3芯のシールドケーブルですね。mogami で言うと 2549 辺りと大体同じ仕様なようです。外径は5mmと細いです。硬さは凄くふにゃふにゃで、取り回しは大変良さそう。
サウンドハウス / NEUMANN ( ノイマン ) / K3x0.2 ケーブル マテリアル 1m高いですw Belden 88760 以上に高級なケーブルですね(汗 さて、その真価や如何に!?
中身の構造
さっそく被膜を剥いてみました。シースはやたらとしなやかな繊維、芯線は凄く細いので、プラグとの物理的な強度を確保するには、シールド線をしっかり付けるしかなさそう。シールド線は網タイプでは無く巻きタイプで、逆向きに2重になっていました。mogami 程コスパ重視な感じではないですが、高級感という意味ではBeldenの方があると思います。
シールドとグラウンドを分けた方が良い?
芯線のカラーコードを調べようとググっていたところ、shield は ground と分けて、プラグのカバーに接続した方が良いとかいう話に行き着きました。今回は5mを2本作る予定だったので、1本は普通に作って、もう1本をシールドを浮かせて作って比べてみることになりました。
1本目は普通に作成
1本目を普通に作ります。プラグはNEUTRICKの NC3MXX と NC3FXX です。
各線の接続ですが、茶色→2番Hot 緑→3番Cold 白とシールド→1番Ground としました。
線の外形が細いので、ノイトリックの構造で強度が十分確保できるか不安ですので、1番のシールドを念入りにしっかり付けます。
1本目が完成。
テスターでチェックして完成。昨今のNEUMANNのテーマカラー?緑がかった灰色がドイツ感ありますね。何でもかんでも色をちょっと灰色よりにするのがドイツのデザインなイメージあります。
続いて、シールドを浮かした2本目の作成に入ります。
2本目の作成
まずは末端をこのように処理します。全部の線を個別にネジネジ。
そして、シールドをノイトリックのこの端子にはんだします。この端子は常にプラグカバーと接触しているので、恐らくこの作り方用に用意されているのでしょう。本来はこの作り方が正しいお作法な説もあるのでは?
裏返して、他の線もソールド。茶色→2番、緑→3番、白→1番、シールド→カバー、となります。
2本目も完成。
PA屋さんは絶対にしないであろう構造の2本目が完成しました。
接続先の機材で、結局 白とシールドはショートすると思うのですが、果たしてこの構造の効果や如何に。 もし、金属ケースとGroundがショートして無い機材があったら、電位差かなんかで謎のノイズが出たりしないかと、いささか不安です。
いざ、比較実験。
実験内容ですが、複数本ある同じマイクということで、RODE NT-5 を使ってアコギを録ってみる事にしました。このようにセッティングして、両方のマイクを Furch G23-SRCT の14フレット辺り狙いで録りました。至極普通。
ノーコンプ・ノーEQで、引っかからない程度にリミッターで音量上げてあります。
Neuman K3 x 0.2 vs Mogami 2534
まずは、Neumann K3x0.2 の普通に作ったもの と Mogami 2534 との比較です。どちらもシールド・グラウンド1ピンの作り方。
mogami 2534 → Neumann K3x02 の順で、 同じテイクを1度に録った物です。
どうでしょう、2534はmogamiの中でも派手な部類だと思いますが、それとの比較とは言え、自分的には思ってたより大人しいです。
値段の高いシールドといえば 88760 とか zaolla みたいな、上から下までみっちり派手に出るイメージが強かったので、これは意外。凄く自然な音だと思います。
この2つの恐るべき価格差を考えると、不要な色づけが無いという事に、どれだけ価値を見出せるかでしょうか?
Neuman K3 x 0.2 (normal) vs Neuman K3 x 0.2 (Shield Lift)
Neumann K3 x 0.2 の普通に作った物 と シールドとグラウンドを分けて配線した物の比較です。
普通のヤツ → Ground Shield 分けたヤツ、の順で、 同じテイクを1度に録った物です。
さぁ、気になるこの比較ですが、
自分的には、「やばい、全然ちがうどうしよう」が感想です。電気的には一緒なのでこの程度で差はつかないだろうと高をくくってました。レンジが広がって解像度が上がった”ような気がします!”
とは言え、「この程度は誤差レベルの違い」と言ってしまっても言いし、プラシーボ効果であるという説も捨てがたいです(笑)「厳密にはマイクの位置が2センチぐらい違うせい」と納得してしまって無視したくもなります。
ホントにこんなに違うんなら、mogami 2549 とかでもシールドを浮かして作ったら良くなるのでは?と思ってしまう。そうすると、凄くメンドクサイ作業がたくさん発生する可能性がある!
いやー、残念ながら聴いて分かる程の差は無かったですね!