長らく活躍してくれている我が家の Hot Rod Deluxe が、最近ちょっとゲインを上げるとすぐに「ピィィィィ!」とか「ブオォォォォ!」とか怒り出すようになってしまいました。
割と使う子なので、何とかならんかと修理を試みましたので、記録に残します。
今回のお品 Fender HotRodDeluxe (たぶんIII)
今回のお品、Fender社のHot Rod Deluxe(たぶんIII)です。
日本の代理店を通ったもので、100V仕様になっていると思われます。実際にテスターで計測したら回路図通りの電圧来てました。
ストラト指定の曲で、クリーン~クランチの音が必要な時に出動します。大体Jazz系の曲で使う事が多いかな?あとはJ-POP系のクランチでひたすらジャカジャカやる曲とかです。がっつりMODしてあるので、単体でクランチが作れる使える子になっています。MOD箇所は、初段後ボリューム部分のゲインupと、NFB部分のPOT化です。
本来はコンボアンプですが、箱から外してこの状態でヘッドとして運用しています。本機の箱にはJensen の C12K を入れてますが、残念ながらMDFなので、あんまり気に入って無いです。絶対にFenderキャビじゃないとダメな曲の場合は、おそらくパイン板のツイードの Bluce Jr. が別にあるので、その子をキャビにして録っています。
症状
症状としては、いわゆる発振というやつかと思いますが、特徴として、
- クリーンchで、ゲインを上げるとピー音がする。BRIGHT入れるともっと鳴る
- ドライブchでも同様だが、セッティングに対してあまり歪が得られなかったりする
- イコライザー(ToneStack)のセッティングによってピーからブーまで多種多様な音色が得られる
という感じです。お前はシンセかという具合に、何も弾いていなくても盛大にノイズが大音量で鳴り響きます。以前マルチエフェクターで似たような壊れ方に遭遇した事があるかも知れない。
目視で確認
見つけた!
ペダル系ではあまり使わない形状のクソデカ電解コンデンサーが、がっつり液漏れしております。
回路図と睨めっこして確認したところ、この部分はダイオードブリッジから来た、なんちゃって直流を平滑してノイズ取りをする役割に見えます。ははーん、ピンときましたぜ、絶対これやろ。ギターアンプってめちゃくちゃゲインが高いので、電源に乗った可聴域範囲外のノイズが増幅されてギターの入力以上になってしまい、それに引っ掛かってゲイン落ちしてたんじゃないですかね。
原因が分かれば、修理は半分以上終わったと言っても良い。勝ったな!
交換部品の入手
原因が分かったら(まだ正解かは分からない)交換部品を入手せねばなりません。
この形状の電解コンデンサは、チューブラというらしいです。ベークライト板が主流だった頃の名残の形状というか、「お前一人で面積持って行きすぎやろ!」って感じですが、すんごい耐圧のものが多いですね。
全く同じものは高かったので、なるべくしっかり作ってそうな、同様の仕様の物を見繕いました。
因みにですが、この部分には、435V とかいうヤバい電圧がかかっています。絶対に通電状態で触ってはいけない部分になりますので、有資格者の方以外は自分でやっちゃダメです。
交換作業
基盤を外していざ交換作業です。
電源切っても静電容量の電力が全部抜けるまで待つんやで!
山のようにナットを外してガバっとします。
正直これが一番めんどくさい。
あとは吸い取り器で問題のコンデンサを外して、新しいのをはんだごてでつけるだけ。
直りました!
これにて修理完了です。
問題の症状ですが、バッチリ直っていました!
すこぶる調子が良くなって、大変快適です。元より結構ボロい機体でしたが、入手時の状態に戻ったかそれ以上な感じですね。買い換えてもリペアしても3~5万位しそうなので、だいぶお金が浮いて万々歳なのはもちろんですが、それよりも回路の知識やらの恩恵が重要だと思ってます。その辺分かってるかどうかで、音の作り方も変わってきますので
こういう事例の情報って、一部の方には貴重だと思うので、残してみました。